子機RTR-600シリーズ

設定の前に

おんどとりRTR-600シリーズのデータロガーは簡便性、防水性、耐油性に優れた特定小電力無線通信機能に対応した食品中心温度データロガーです。

 参考

ここでは機器の説明をしています。設定方法はご利用になる親機によります。下表の[対応親機と設定に関する参照先]から選んでご参照ください。

対応親機と設定に関する参照先
RTR500BW, RTR-500NW/500AW RTR500BW + RTR-600 設定ガイド (PDF)
RTR500BC, RTR-500C * 本ヘルプ内 [RTR500BC for Windows]
*RTR500BC、RTR-500Cを親機として利用する場合は別途公開の通信プロトコルを利用してお客様独自のシステムを構築していただく必要があります。プログラム開発用の情報を必要とされる場合は、T&D Webサイト 各種お問合せ・修理・校正 からご相談ください。

付属品: 取扱説明書一式(保証書付)

ニッケル水素電池を内蔵しています。リサイクル可能な貴重な資源です。ご使用済み製品に関しては、お買い上げいただいた販売店または弊社サポートへご連絡ください。

センサ材質
センサ部分 ステンレス (SUS316)
分離型グリップ 難燃PPE/PA6 (耐熱温度約170°C)
分離型ケーブル フッ素樹脂電線 / 長さ 900㎜

重大な事故を防ぐために

目的以外の使用は絶対しないでください。

  • 本製品は食品温度・液温の測定を行うものです。目的以外の用途で使用しないでください。
  • センサ先端部は鋭利に尖っており、人体や物に刺さる危険性があります。測定対象物以外への使用は絶対に避けてください。

置き場所、保管場所には十分ご注意ください。

  • 傾きやぐらつき、振動がある場所、滑りやすい場所、お子様の手に届きやすい場所などに本製品を置かないでください。
  • 使用しないときはセンサの先端部にカバーをつけるなどし、安全な保管場所に置くようにしてください。

測定前後は、細菌の繁殖防止や付着物質除去のため、必ず洗浄、消毒をしてください。

  • 油の付着などで汚れた場合はアルコールをしみ込ませた清潔な布で拭いてください。
  • 酸性、アルカリ性、塩素系洗剤を使用しての洗浄は、本製品および専用充電器に有害な影響を与えるため、絶対にしないでください。

測定直後のセンサに触れないでください。

  • 高温または低温環境で使用中、および使用直後にセンサ部分に手を触れると、やけどまたは凍傷になることがあります。

守っていただきたいこと

  • 分解や改造、修理などはご自分でしないでください。
  • 冷凍食品など硬い物にセンサを無理やり刺さないでください。センサが折れ、けがや思わぬ事故の原因となります。
  • センサケーブルの加工、カットはしないでください。また、ねじる、引っ張る、振り回すなどの行為はしないでください。
  • 故障、誤作動、不具合などによりシステムに発生した付随的障害、および本製品を用いたことによって生じた損害に対し、当社は一切責任を負いません。
  • 機器に触れる前に身体の静電気を取り除くようにしてください。人体などからの静電気は本製品の破損の原因となります。
  • 光通信部を汚したり、テープ等で遮ったりしないでください。通信エラーの原因になります。

ボタン操作と画面のみかた

[REC]ボタン

データを測定・記録します。
測定値、時刻、作業者名、品目名、判定結果を同時に記録します。
ボタンを押したとき、REC LEDと判定LEDが連動します。(参照: [LED表示])

[電源]ボタン

電源を入れます。
自動電源OFF機能により、約5分間使用しないと自動的に電源が切れます。

[MENU]ボタン

メニューを表示します。または前の画面に戻りたいときに押します。

[ENT]ボタン

設定メニューに入るとき、または設定を決定するときに押します。

スクロールボタン

カーソルを上下に移動したいとき、または画面を上下にスクロールしたいときに押します。
(参照: [メニュー画面])

トップ画面

現在日時と作業者名

RECボタンを押したときに表示されている作業者名と日時で記録されます。

  • 作業者名は全角4文字、半角8文字まで表示可能です。
  • 内部時計はRTR-600 設定ユーティリティで設定してください。

記録モード

データ記録容量が上限1,800個に達すると先頭のデータに上書きして記録を継続します。

ワークグループ名称

全角4文字、半角8文字まで表示可能です。

機器状態マーク(電池残量/通信アンテナ/キーロック)

状況に応じてマークを表示します。
電池残量: 電池残量が低下して測定ができない状態になると "電池を充電してください" とメッセージも表示します。
通信アンテナ: 親機と無線通信中に表示します。
キーロック: ソフトウェアによってボタン操作を制限されているときに表示します。RECボタンと電源ボタン以外の操作はできません。

測定品目と測定カウント数

RECボタンを押したときに測定品目として記録します。
この品目を何回測定したかカウント数が表示されます。

  • ワークグループテーブルを入れ替えるとカウント数はリセットされます。
  • この画面の場合、コロッケを4回測定したことを表しています。
  • 品目名は全角6文字、半角12文字まで表示可能です。

メニュー画面

トップ画面でMENUボタンを押すとメインメニューを表示します。

メニュー名

メニュー名の横につくマークです。

カーソル

カーソルで選択している項目は反転表示します。
本体のスクロールボタンでカーソルを動かしてメニューやデータを選択します。(参照: [ボタン操作と画面のみかた])

スクロール

選択項目がまだあることを示しています。
本体のスクロールボタンで画面を上下できます。(参照: [ボタン操作と画面のみかた])

メニューの内容

機器で以下の操作/設定ができます。

 参考

トップ画面にキーロック () を表示しているときは、操作/設定できないメニューがあります。RTR-600 設定ユーティリティの子機プロパティ画面で設定してください。

データ一覧

子機内に保持している記録データリストです。品目名は全角6文字、半角12文字まで表示可能です。
カーソルで指定しているデータが何番目のデータか右上に表示します。

  • この図では83番目のデータをカーソル指定しています。ENTボタンを押すとデータの詳細を確認できます。

データ確認(詳細確認)

データの詳細(測定日時、品目名、作業者名、測定値、判定結果)を確認できます。
判定OK (測定温度が正常範囲内)
上限値オーバー
下限値オーバー

作業者選択/品目選択

作業者/品目グループから選択できます。

  • ワークグループを登録しているときは[ワーク選択]からも選択できます。

判定LED設定

ONに設定すると測定値が上下限値を超えた場合に、判定LEDが点滅します。(参照: [判定LED(赤・緑)])

  • RTR-600 設定ユーティリティからも設定できます。

キー操作音

ボタン操作時の音をON/OFFで切り替えます。

  • RTR-600 設定ユーティリティからも設定できます。

バックライト

[操作時ON]はボタン操作したとき3秒間画面を照らします。

  • RTR-600 設定ユーティリティからも設定できます。

コントラスト

画面の文字の濃淡を調整できます。

子機情報

グループIDと子機名、ファームウェアを確認できます。(参照: [ファームウェアのアップデート])

  • グループIDは、ソフトウェアで子機登録したときに自動で割り振られます。

メッセージ

設定変更

RTR-600 設定ユーティリティから子機の設定変更を受信すると、約2秒表示してトップ画面に戻ります。

センサエラー

このメッセージが表示された場合は、お買い上げいただいた販売店へご連絡ください。

動作一覧

LED表示

REC LED (オレンジ)

温度収束待ち
点灯(通常の記録時)

RECボタンを押したときに点灯します。
測定値を3秒間ほど表示し、自動的にトップ画面に戻ります。

点滅(温度収束待ち)

RECボタンを押したときに、[温度収束待ち]とメッセージが出てLEDが点滅している間は、温度センサを抜かないでください。

 参考

温度が安定するのを待って記録する温度収束機能を有効にすると、測定まで数秒かかります。15秒以上たっても収束しない場合は記録せずトップ画面に戻ります。

判定LED (赤・緑)

判定LED設定をONにしている子機は、測定値の判定結果をLEDで表示します。

上下限値オーバー
緑で点滅 (正常範囲)

測定値が正常範囲内です。

赤で点滅 (上下限値オーバー)

測定値が上限値または下限値を超えています。

 参考

上限値と下限値はRTR-600 設定ユーティリティで[品目テーブル]作成時に設定します。

バッテリーチャージドック

RTR-600シリーズのデータロガーをご利用になるには、バッテリーチャージドックRTR-600BD(非接触型専用充電器)が別途必要です。

付属品: ACアダプタAD-05A3、USBケーブルUS-15C、取り付け用ネジ×3、取扱説明書(保証書付)一式、

通信インターフェースとして

子機設定を行う際、USB通信インターフェースとして使用します。
付属のUSB通信ケーブルでパソコンに接続し、光通信部がある右側に機器をセットして、1台ずつ設定します。

充電器として

2台同時に充電できます。
付属のACアダプタで電源に接続し、子機をセットしてください。(USBバスパワーによる充電はできません)
充電中はバッテリーチャージドックのLED(青)と、子機の緑色LEDが点灯します。充電が完了すると消えます。

充電時のご注意

バッテリーチャージドックの赤色LEDが点灯しているとき

  • バッテリーチャージドックが異常を察知すると自動的に充電を停止し、赤色LEDが点灯します。電源を抜いて、バッテリーチャージドックと機器の間に異物が挟まっていないか確認してください。
  • 電源変動により一瞬赤色LEDが点灯する場合がありますが、継続して点灯していなければ問題ありません。
  • 何回セットしてもバッテリーチャージドックの赤色LEDが点灯する場合は、ただちに使用を中止し、お買い上げいただいた販売店へご連絡ください。

機器が高温になっているとき

  • バッテリーチャージドックにセットした機器の温度が40°Cを超えていると、充電を一時停止して機器のLEDが点滅します。温度が下がれば充電を開始します。

取り扱いのご注意

  • バッテリーチャージドックにセットするときは、機器の汚れをきれいに拭いてください。
  • バッテリーチャージドックの光通信部を汚したり、テープ等で遮ったりしないでください。通信エラーの原因になります。
  • ノイズにより正常な動作ができなくなるため、充電しながら測定・設定はできません。

測定値の調整機能

アジャストメントツール

専用のソフトウェア アジャストメントツールを使って、子機の測定値調整機能を利用できます。

調整前、調整後の数値をもとにy=ax+bの一次式で補正を行います。(x: 測定値 / y: 補正後)

1点調整

すべての測定値に対して同じオフセットで調整

2点調整

広い範囲に対して調整。もしくは1点調整では対応できない場合

T&D Webサイト > ソフトウェア > アジャストメントツール ダウンロード

 注意
  • 補正を行ってもすべての範囲で精度が良くなることを保証するものではありません。ご自身の責任において設定してください。
  • 子機を初期化をしてもアジャストメント設定値は残ります。アジャストメント設定の初期化は、アジャストメントツールから行ってください。
  • すでに調整済みの機器に対して調整する場合は、設定を初期化してから行ってください。誤差が小さくなります。

初期化

親機の登録リストから削除したときは、ご利用になっている親機のソフトウェアから初期化してください。

 参考

本ヘルプ内の各項目を参照してください。

ファームウェアのアップデート

子機RTR-600シリーズのファームウェアアップデートは、RTR-601/602 ファームウェア アップデートプログラム(Windows)から実行します。

Webサイト > ソフトウェア > RTR-601/602 ファームウェアアップデートプログラム

  • ダウンロードページで、動作環境、バージョンアップ内容などをご確認ください。
  • ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックすると、プログラムが起動します。
  • バッテリーチャージドックをパソコンにUSB接続し、光通信部がある右側に子機をセットして実行してください。(完了のメッセージが表示されるまで、約6分を要します。)
  • 機器の電池残量が不足していると、通信エラーで実行できない原因になります。
  • より詳しい情報は、Webサイトでご案内しています。(参照: RTR-600シリーズ アップデート方法のご案内)
 注意

ファームウェアVer.2.019以前の機器でアップデートを実行すると、機器内部の記録データが消失します(設定情報は残ります)。手動で記録データを吸い上げてから実行するか、自動送信のスケジュールを把握している場合は、自動送信後に実行することをおすすめします。手動で記録データを吸い上げる場合は、以下をご参照ください。

ファームウェアバージョンの確認方法

機器のボタン操作をして、液晶画面で確認できます。
(トップ画面 - [MENU]ボタン - [メインメニュー] - スクロールボタン - [子機情報])