使用事例

国立科学博物館様

国立科学博物館様

つくば市にある収蔵庫で温湿度の遠隔監視システムを導入!

国立科学博物館の研究部門が研究を行う施設として、平成23年春つくば市に完成した国立科学博物館総合研究棟には、各研究室のほか、実験室、書庫、標本作製室があり、また自然史標本棟には、動物、植物、地学、人類の標本・資料が、理工学資料棟には、重要文化財を含む科学史・科学技術史資料が保管されています。これらの多様な標本・資料に配慮した空調管理を行うために、ワイヤレスデータロガーRTR-500シリーズが導入されました。

導入の背景

2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、収蔵庫があるつくば市では計画停電や政府からの節電要請により、継続的な冷暖房の使用が困難となりました。しかしながら、収蔵庫に保存されている標本・資料の数々は国民の宝ともいえるような重要なもので、厳密な温湿度の管理が欠かせません。

そこで、貴重な文化財を守りながらもより効率的な空調管理を目的として、収蔵庫内の環境を常にモニタリングでき、且つ、万が一温度や湿度に異常があった場合は、適時に素早い対応ができるシステムの導入が検討されていました。

RTR-500シリーズを導入

導入したRTR-500シリーズは、温度に加え湿度の変化も的確に捉えるセンサ外付けの子機(RTR-503L)と、記録データを無線通信で収集する親機(RTR-500NW)とで構成し、一部通信状態が不安定な場所に中継機(RTR-500C)を配置しました。子機にはバッテリ交換の手間を省くために大容量のバッテリを搭載したモデル(Lタイプ)を使用しています。

→ 導入機種(RTR-500シリーズ)の詳細はこちら

導入機種

RTR-500シリーズ
RTR-503/503L

RTR-503L

RTR-500NW/AW

RTR-500NW

RTR-500C

RTR-500C

導入のイメージ

収蔵庫は地上7Fの大きな建物で、フロア内でも収蔵物のカテゴリ毎に部屋が分かれています。また、実際に温湿度を管理される研究者の方々の部屋は別棟となっていました。

設置範囲が広いことと、設置台数が多いこと、また、管理する標本・資料の性質に応じた温度と湿度のさまざまな設定・管理を一括で行えることが重要なポイントとなりました。そして、測定したデータは館内の複数の研究者の方々で共有でき、さらには、外出先や出張先からでも状況を把握できることを目指しました。

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懸念される問題点の検討

国の重要な標本・資料を守る大切な役割であることと、導入台数も多く、広いフロアでの使用ということもあり、導入前には、時間をかけて想定される問題点を洗い出し、検討を行いました。

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燻蒸に温湿度センサが耐えられるのか?

国立科学博物館様では、標本・資料を虫やカビから守るために、年に一度ヴァイケーンという薬剤を使って燻蒸(くんじょう)を行っています。RTR-500シリーズ導入にあたり、この燻蒸の成分がデータロガーの温湿度センサの精度に何らかの影響を与えるのではないか、ということを懸念されていました。

そこで、実際の燻蒸作業が行われる際に弊社の検証機を使用して、様々な場所で動作検証を行っていただきました。

その結果、測定精度の悪化などのセンサへの影響がないことが確認されました。

親機と子機の間で無線通信の電波が届くか?

収蔵庫はとても頑強な構造でできており、また室内には大量のスチールラックが設置されているため、無線通信に適しているとはいい難い環境でした。

そこで、まず親機と子機を設置し、電波状況を確認し、電波が届かない場所や電波が弱く通信に影響を与えそうな場所を確認しました。

そして、電波状況が良好でない場所には、中継機RTR-500Cを設置して改善しました。

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運用方法

各測定場所には子機として大容量電池のRTR-503L(Lタイプ)を設置し、温度と湿度を計測します。子機の記録データを無線通信によって収集する親機は、RTR-500NW(有線LANタイプ)を設置しました。

子機は設置場所に応じて壁面アタッチメントで固定し、センサの長さなどを調整しました。親機RTR-500NWはカテゴリ毎に設置し、収集したデータは、館内LANを通じて複数のパソコンで一括管理・共有できるようにしました。

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また、親機はそれぞれが『おんどとり Web Storage』にデータ送信するように設定し、外出先や出張先など館内LAN以外の場所から記録データにアクセスできるようにしました。インターネットに繋がっている環境であれば、地球上のどこからでも、パソコンやスマートフォンなどを使って記録データにアクセスできます。

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また、警報監視機能を利用して、あらかじめ設定しておいた温度や湿度の範囲を外れると、各収蔵室の管理者に警報メールが送信される仕組みにしました。このほか、警報監視機能には、バッテリー残量や無線通信エラーなどがあり、様々な異常に素早く対応することができます。警報メールは、パソコン以外に携帯電話でも受信できるので、パソコンの前に座っていなくても異常を知ることができます。

導入後の効果

たくさんの重要な標本・資料が収蔵されている広いフロアにおいて、常に資料全体の状態を把握でき、警報監視機能を使ってリアルタイムに異常をチェックできるようになりました。天井からつり下げられた鯨の骨などの大きな資料や、壁に掛けられた多くの動物頭部のはく製など、測定値を目視することが難しい場所での温湿度管理には、測定値をワイヤレスで一括管理できるRTR-500シリーズの導入は、大変有効なものとなりました。

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知ることで効率的にエネルギーを使う

温湿度のモニタリングを開始したことにより、収蔵庫の保温性能が非常に優れていることがわかりました。

そこで、電力料金の安い深夜に空調し、日中は空調をOFFにするといった更なる改善にも取り組み、より一層の効率的・効果的な省エネルギーを実施されています。

警報監視機能を使って素早い初動対応

5分に一度の間隔で温湿度の異常を監視することにより、もしもの時にはすぐに駆けつけることができます。

警報監視機能には、上下限値のほかにバッテリー残量や無線通信エラーなどがあり、メールの内容によって、あらかじめ対処法を判断できるので、無駄なく対応できるようになりました。

事後対応ではなく異常を未然に防止することで、国民の宝である大切な標本・資料を常に厳しい目で監視し、守っていく努力が続けられています。

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おんどとり Web Storageを使っていつでもどこからでもデータ確認

おんどとり Web Storageに送信された温湿度データは、パソコンをはじめ、スマートフォンやタブレット端末からも見ることができます。インターネットに接続できる環境であれば、世界中のどこからでもデータにアクセスすることができます。

専用のビューア『おんどとりモニタ』は、現在値やグラフ、警報情報も見ることができます。

ある研究者は、出張先の小笠原諸島や、地球の裏側のチリからもデータをモニタリングされているようです。

画面表示はサンプルであり、実際の数値・名称ではありません。

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